【国会アーカイブ】「電気事業法〜電力自由化と東電への外資参入リスク〜」参議院議員 櫻井祥子 国会質疑 令和8年7月9日 参政党
登壇議員:櫻井祥子
参議院
💡 審議要約
電力自由化および発送電分離の政策が、大規模な電力インフラ投資を構造的に阻害し、安定供給の方針と矛盾しているのではないかという問題意識から質疑が始まりました。東京電力のキャッシュフロー悪化や外資参入リスクを巡り、福島第一原子力発電所の廃炉・賠償責任の完徹と過度な市場原理の導入による経営不安の解消について、政府の見解を厳しく質すやり取りが行われました。最終的に、重要インフラである電力を過度な市場競争にさらさず、国内資本で保持していく必要性を強く訴える着地となりました。
❓ 質疑応答 (Q&A項目)
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問 ── 00:06 過去に行われた発送電分離と小売全面自由化の政策が、大規模な電力投資を構造的にしづらくさせており、電力の安定供給という国の方針と矛盾しているのではないかと政府の認識を正した。答 ── 01:19 電力システム改革は事業者間の災害時連携や広域融通の強化、多様な料金メニューの登場など安定供給の確保に資するものであり、矛盾するものであるとの認識はないとし、必要なインフラ投資には本法案の財政投融資を活用した貸付制度などで国が一歩踏み込んだ対応を行うと答弁した。補足 ── 広域連携やメニュー多様化は自由化せずとも可能であったとし、市場原理を過度に持ち込んだことで新電力の倒産多発や料金高騰などの不安定性を招いており、安定供給が阻害されていると批判した。
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問 ── 03:54 政府が原子力損害賠償・廃炉等支援機構(現賠機構)を通じて東京電力の株式の過半数超を保有し、総合特別事業計画を認定している立て付けから、政府は東電の経営方針に影響を及ぼせる立場にあるとの認識でよいか確認した。答 ── 05:08 特別事業計画は国の認定を受けたものであり、主務大臣は計画履行に必要な措置を東電に求めることができる一方、国による出資は福島への責任を完徹させるためのものであるため、個別の事業判断については東京電力自身が判断すべきものであると答弁した。補足 ── 全部の経営に関与するわけではないとしても、個々の経営判断のピースが最終的な廃炉・賠償の履行に繋がっているため、政府の関与があるという前提で議論を進めるべきだと指摘した。
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問 ── 06:37 東京電力の連結決算においてフリーキャッシュフローが8期連続でマイナスという厳しい経営状況にあることについて、他社と比較しても東電の悪化が突出している原因を政府はどう見ているか問うた。答 ── 08:20 小売電気事業における競争や物価上昇に伴う費用増加により営業キャッシュフローが減少していること、および需要増加に伴い投資回収に時間を要する送電線や電源への投資負担が先行していることが原因であると認識している旨を答弁した。
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問 ── 09:17 自由化による市場競争の推進と、福島第一原発の廃炉・賠償弁済を数十年にわたり毎年5,000億円規模で履行し続けること自体が構造的に矛盾しており、このままでは経営悪化を避けられず責任履行に影響が出るのではないかとただした。答 ── 10:35 東電は中部電力との発電燃料部門の統合(JERA設立)など経営改革を進めており、電力システム改革と企業価値向上は必ずしも構造的に矛盾しないとし、今法案の融資制度も含めて国としても投資に向けた環境整備を進めると回答した。補足 ── やはり過度な競争を課す電力自由化という仕組み自体が、公共性の高い電力インフラ事業には馴染まないものであるとの持論を展開した。
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問 ── 11:42 東京電力の第5次総合特別事業計画に記載された「アライアンスと再編統合」について、外資ファンドなどを含む外国資本との提携や東電本体の非公開化までが検討されているとの報道を踏まえ、国がこの外資参入方針を認めたのかどうかを追及した。答 ── 13:17 計画では長期の廃炉完徹に向けた資金・人材確保、電力需要増への対応というアライアンスの基本認識を明示しているが、提携の相手方として外資を含むか否かについては、国が認定した計画内では言及していないのが事実関係であると答弁した。補足 ── 現時点では報道ベースであり、政府が外資参入を正式に認定したわけではないことを確認した。
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問 ── 13:59 国民生活に直結する重要な電力インフラ企業に外資が参入した場合、事後的に株主利益が優先されて当初の廃炉・安定供給の約束が守られないリスクがあるとし、資本提携の方針を改めて国内企業に限定すべきではないかと大臣の見解を求めた。答 ── 15:19 パートナーが国内か外資かを問わず、社会課題の解決をリードできるという基本認識との整合性が確保された場合のみアライアンスを進めるため、懸念されるような事業者が選定される事態は想定していないとし、仮に外資企業が参入する場合は外為法に基づく適切な審査を行うと答弁した。補足 ── 国策による発送電分離や自由化が東電の厳しい経営環境を招いた側面があるため、会社を切り売りして外資に売却するような事態に陥らせないよう、将来を見据えたしっかりとした国の関与を求めた。
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問 ── 16:47 福島原発事故の除染費用4兆円を回収するため、政府が保有する1兆円分の東電株式を将来的に普通株へ転換して放出(1兆円から5兆円へ株価を5倍に上昇させて売却)するという政府の回収計画は、本当に現実的なのか計画の真実味を問うた。答 ── 17:22 長い時間をかけて腰を据えて実現していくものであるが、今後の需要増加といった成長機会や、他産業で経営改革により時価総額を数倍から10倍程度上昇させた実例を考慮すると、決して容易ではないが不可能ではないと考え、経営改革を踏まえ全額回収を大前提に適切に検討していくと答弁した。補足 ── 事故後に暴落した株価からの回復はあり得るとしても、これほど大量の株式を市場で円滑に売却できるのか懸念が残るとし、中間持ち株会社化による資産売却などの手段においても、外国資本に買収されてしまうリスクを今後十分に考慮するよう促した。