【国会アーカイブ】「後見制度の規制緩和のリスクを問う!民法改正案で本人の財産は守られるか」参議院議員 安達悠司 国会質疑 令和8年6月16日 参政党
登壇議員:安達悠司
参議院
💡 審議要約
民法等改正案において包括的代理権を持つ成年後見制度を廃止し補助制度へ一本化する方針に対し、本人の財産保護が脆弱になるのではないかという強い問題意識から議論が始まりました。安達悠司議員は、全財産の管理責任を負う後見人がなくなることで生じる「つまみ食い」のリスクや、部分的な代理権しか持たない補助人では金融機関等の全財産調査が極めて困難になる運用の欠陥を鋭く追及しました。最終的に政府側はニーズに基づく見直しであると弁明したものの、選択肢を完全に無くす改正には重大なリスクと課題が残された形となりました。
❓ 質疑応答 (Q&A項目)
※タイムスタンプをクリックすると該当箇所の動画が開きます-
問 ── 00:05:31 新設される「特定補助人」が有する保存行為の権限について、その対象範囲は本人の財産全部に及ぶものであるのかを政府に確認。答 ── 00:05:41 特定補助人が有する本人の財産に関する保存行為の権限については、本人のすべての財産がその対象となる旨を答弁。
-
問 ── 00:06:01 特定補助人の持つ保存行為の権限や全管注意義務は、現行の成年後見人が負う包括的な財産管理義務や責任と比較して、内容や範囲においてどのような違いがあるのかを追及。答 ── 00:06:18 成年後見人は包括的な管理・代理権を持つが、特定補助人はそれらを有さず現状維持の保存行為にとどまるため、権限の性質が異なり後見人と同様の広範な責任を負うものではないと説明。補足 ── 包括的な代理権がなくなることで財産管理の責任や義務の範囲が実質的に狭まり、制度として大きく緩くなるという危機感を表明した。
-
問 ── 00:08:25 補助人や特定補助人が作成する財産目録について、与えられた特定の代理権にかかる財産に限定されるのか、あるいは全財産を網羅する必要があるのかを質問。答 ── 00:09:04 補助人は家庭裁判所から求められた範囲が対象となる一方、特定補助人は保存行為の実行性を確保するために本人のすべての財産が対象となり、目録を作成しなければならないと回答。
-
問 ── 00:10:03 補助人や特定補助人が代理権の対象になっていない(代理権を持たない)財産について、金融機関や証券会社等に対し一体いかなる権限に基づいて正確な調査や照会を行うのかを厳しく追及。答 ── 00:10:30 補助人は任意の協力を求める方法や付与された代理権の範囲で調査を行い、特定補助人は法制審の議論に基づき、任意的な方法を含め可能な限りで把握できた範囲で目録作成を行うことになると答弁。補足 ── 代理権のない照会に対して金融機関や証券会社が任意で応じるわけがなく、実務上全財産を正確に把握することは極めて困難であり、制度の致命的な欠陥であると批判した。
-
問 ── 00:11:25 第三者(不動産会社等)が意思表示の受領の特別代理人の選任を申し立て、そこから補助人を経て判断能力のない本人の不動産を売却させるような「財産のつまみ食い」が法改正によって可能になるのではないかと追及。答 ── 00:12:44 表意者の請求で特別代理人を選任し、そこから補助開始等の審判請求をすることは制度上可能だが、これらはあくまで本人にとっての必要性や保護の観点から家庭裁判所が中立に判断するため、必要のない審判がなされることはないとの一般論を回答。補足 ── スポット的な不動産売却により成功報酬を得て辞任するような悪質な運用が排除できず、本人の収支や人生設計を無視した財産処分がなされる危険性を強く警告した。
-
問 ── 00:15:30 特定の法律行為の代理権しか持たない補助人が、全財産や収支を把握するために「特定補助人」への移行審判を求めた場合、それが裁判所に認められる可能性はあるのかを質問。答 ── 00:16:31 特定補助人の審判は法定の重要な財産行為をいずれも取り消せるようにしておく必要がある時にされるため、単に全財産を管理・把握したいという理由だけでは、取り消し権の必要性がない限り認められないと答弁。補足 ── 特定補助人の制度も非常に使いづらく、補助人が全財産や収支を把握しないまま、本人の土地売却といった重大な判断をリスクを負って迫られる運用になるため、本人の利益を守れないと指摘した。
-
問 ── 00:18:51 最後の砦である包括的代理権を持つ後見制度そのものを、今回の民法改正案で完全に廃止してしまった根本的な理由とニーズの正当性を正す。答 ── 00:19:24 法制審議会では後見制度を残す案もあったが、包括的代理権が本人の自己決定権を必要以上に制限しているという指摘や障害者団体等の反対意見を勘案し、利用者の具体的ニーズに基づいて廃止を決定したと説明。補足 ── 「親なき後の問題」のように全財産を包括的に守ってほしいという確固たる国民のニーズがあるにもかかわらず、その選択肢すら完全に奪い去る今回の改正は重大な問題を残していると強く主張した。