【国会アーカイブ】「再エネ拡大の裏側、電力危機を問う」衆議院議員 牧野俊一 国会質疑 令和8年6月17日 参政党
登壇議員:牧野俊一
衆議院
💡 審議要約
再生可能エネルギーの急速な拡大方針に伴う電力インフラの安定供給と国民負担増に関する問題意識から、電気事業法等改正案に対する質疑が始まりました。参政党の視点から、バックアップを担う既存火力発電の維持コストや、再エネ設備に不可欠なタービン等のサプライチェーン制約、さらには電力自由化がもたらした危急時の供給破綻リスクについて、政府の認識や制度設計の甘さを鋭く追及しました。最終的に政府側から二重負担防止の調整や容量市場の見直しといった答弁を引き出すも、流域単位の環境リスク評価や将来的な需要化負担の抑制策については依然として多くの課題が残る着地となりました。
❓ 質疑応答 (Q&A項目)
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問 ── 00:00:13 九州電力送配電で発生した約1,090万口に及ぶ膨大な顧客データの流出事案について、スマートメーターの電力データ悪用による空き巣や詐欺のリスクを指摘し、経済産業省の受け止めとシステム的な再発防止策を追及。答 ── 00:02:16 重要なインフラ事業者として顧客情報の徹底管理を求めるべきとし、九州電力送配電に対し事実関係や再発防止策の報告を求める報告徴収を行っており、回答を踏まえ厳正に対処する旨を答弁。補足 ── 7月8日に報告がなされる予定とのことだが、データ悪用による被害防止や再発防止に向けた取り組みを徹底して注視していくことを求めた。
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問 ── 00:03:59 変動のある再エネ(太陽光・風力)の比率を大幅に増やし火力を半減させる2040年の電源構成目標において、不連続な再エネの不安定性を現在のインフラで本当にカバーしきれるのか、経済産業省の見解を正す。答 ── 00:06:53 再エネの主力電源化には出力変動を補う火力や蓄電池の調整力が重要であり、容量市場や長期脱炭素電源オークション、デマンドレスポンス(DR)などを複合的に組み合わせて着実に調整力を確保していくと答弁。補足 ── 計画策定時と比べイラン情勢の勃発など国際情勢が大きく変化しており、目標に固執するのではなく、電気が止まらず安価に安定供給できる現実的な路線を最優先にすべきと苦言を呈した。
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問 ── 00:08:37 2030年までの移行期間において、新設LNG火力が立ち上がるまでの間にバックアップとなる既存火力が採算悪化で旧廃止され、夏冬の電力逼迫がさらに悪化するリスクに対する政府の維持・更新投資の支援策を質す。答 ── 00:11:42 電源の心新代謝が進む2030年初頭までの移行期間における既存電源の最大活用が重要であると認識しており、既存電源のコスト実態を踏まえた容量市場の見直しや予備電源制度等の活用により供給力を確保すると答弁。補足 ── 老朽化した既存火力を緊急用として無理に残す予備電源制度だけでは不十分であり、再エネ抑制で出力低下を余儀なくされた事業者の売電収入の機械損失を補填できる環境作りが肝要であると主張した。
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問 ── 00:16:41 GX推進法に基づく化石燃料付加金(2028年度〜)とCO2排出枠有償オークション(2033年度〜)により、発電事業者に二重の炭素コストが課され、安定供給に必要な火力の維持が困難になるのではないかと懸念し、制度設計を質す。答 ── 00:18:05 発電事業者に対する同一の炭素への二重負担を回避・防止する観点から、GX推進法に基づき適切な調整措置を別法律で明確に定め、確実に措置を講じる方向で詳細を検討していく旨を答弁。補足 ── どちらをどのように減額調整するかは未定であるものの、二重課税状態を招いて火力を担う事業者の負担とならないよう、可能な限り負担の少ない確実な制度設計を強く求めた。
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問 ── 00:19:27 再エネのバックアップで火力の出力調整(起動停止)を繰り返すと機器の劣化・経年化が加速し、メンテナンスや部品調達が必要となるが、その調達のサプライチェーン上で発生する本末転倒なCO2排出量の増加を政府はどう試算しているか追及。答 ── 00:21:04 出力調整の頻発で機器寿命が短縮する実態は把握しているが、機器設計や稼働状況により大きく異なるためサプライチェーン全体のCO2増加量を一概に答えることは困難とし、容量市場見直し等で維持環境を整えると答弁。補足 ── 一概に試算できないにせよ、再エネ拡大がもたらす逆の環境負荷やメンテナンスコスト増大の実態をしっかりと計算・把握し、本当に理にかなっているのかバランスを見極める必要があると指摘した。
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問 ── 00:22:42 全世界的なAI・データセンター需要による発電用ガスタービンの世界的な奪い合い(5〜7年納期待ち)に対し、国内メーカーの製造能力強化やサプライチェーンの制約評価、政府としての今後の後押し方針について質問。答 ── 00:24:27 ガスタービンの世界的な需要の高まりによる納期長期化や価格高騰を承知しており、日本成長戦略の検討において官民での研究開発、サプライチェーン強靱化、需要開拓の3位一体の支援施策の具体化を進めると答弁。補足 ── タービンは原子力や将来のフュージョンエネルギーでも必須の基幹インフラであり、産業競争力強化法などを駆使して国内製造能力と電力インフラを盤石に支えるべきだと要請した。
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問 ── 00:25:53 本改正の資金貸付制度について民間金融を補完する脱炭素電源が対象とされる中、足元の安定供給を支える高効率LNGや既存の石炭火力の大型メンテナンス・設備更新への投資が支援対象から排除され、維持がおろそかになる懸念について大臣の見解を問う。答 ── 00:27:41 一定規模以上の火力の脱炭素化投資(CCUSなど)は支援対象となり得ると考えており、長期脱炭素電源オークションの活用も含め、電力の安定供給に必要な火力発電の確保に向けて必要かつ現実的な対応を行っていくと答弁。補足 ── 石炭火力は環境課題があるため発電量を減らす方針との追加答弁もあったが、少なくとも2030年に新しいLNG火力が立ち上がるまでの移行期間に関しては、既存火力の維持・延命投資に対する柔軟な運用配慮を求めた。
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問 ── 00:30:43 山間部のメガソーラー等の再エネ設備に接続する送電線の維持管理や、災害(土砂崩れ等)時の復旧・樹目伐採コストについて、最終的に託送料金として需要化(国民)に転嫁される一般送配電事業者の負担構造になっているのか確認。答 ── 00:31:43 発電所と変電所を繋ぐ電源線の建設費は原則として発電事業者負担。一方で、電源線の所有権は一般送配電事業者に移るため、災害対応や維持管理に必要な費用については一般送配電事業者が負担する仕組みであると答弁。補足 ── 再エネ賦課金、容量拠出金、そして山間部再エネの送配電維持費が託送料に上乗せされることで、国民は「3重の負担増」を強いられる実態があり、国民負担が過小評価されていると警鐘を鳴らした。
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問 ── 00:32:55 変動再エネの比率が高まると電力システム全体の「統合コスト」が跳ね上がり、太陽光が他電源より高コスト化する試算(資料2)を踏まえ、一歩的な需要化負担増を防ぐために統合コストをどのように政策決定に加味していくのか方針を質す。答 ── 00:35:50 試算の通り出力制御や火力の調整コストが大きくなることを認識しており、FIT/FIP制度の価格低減や、地域間送電線の整備において費用便益評価を行い、便益がコストを上回る場合に整備を進めるなど全体コストの抑制を図ると答弁。補足 ── 円安下で国内に生産拠点を戻そうとするメーカーにとって、過大な電力コストは障壁となるため、企業の国内回帰を躊躇させないコスト管理を徹底するよう注文をつけた。
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問 ── 00:37:52 2022年のウクライナ戦争時の燃料高騰により新電力が相次ぎ撤退し、最終的な駆け込み寺である「最終保障供給」の契約が100倍以上に急増した実例を挙げ、兵時の利益は新電力が取り、危機時の負担を一般送配電や国民が負う「電力自由化」は本当に国益に適っていたのか大臣に総括を求める。答 ── 00:40:13 料金多様化や選択肢拡大の成果はあった一方、危急時の課題も確認されたため、3年後を見据えた量的供給力の事前確保の義務付けや中長期市場の整備を検討しており、システム改革を次の安定的なフェーズに進めると答弁。補足 ── 自由化によるメリットは実質「使う側が選べるようになったこと」以外に大したものはなかったのではないかと疑問を呈しつつ、すでに現状の制度になっている以上、今後の確実な安定供給対策の遂行を迫った。